How-To:料理の基本3スキル – Sweat & Deglaze, Simmer

プロのヒーラーシェフ兼シェフが、ソースが命と言われるフランス料理の基本3スキル「Sweat(スエット)・Deglaze(デグレーズ)・Simmer(シーマー)」をご紹介します。

これらの手順を踏み、ブログ記事「Info:丸ごとの旬の地場産食材は身体・財布・地球環境に優しい!」でご紹介したように身土不二(しんどふに)及び一物全体(いちぶつぜんたい)を踏まえた食材を使えば、いつも料理が、エネルギー(氣)的にも身体に優しい食べ物にダブルでUpgrade(アップグレード)すること請け合いです。


フランス料理はソースが命

Sauce(ソース)は、ラテン語「salsus」が由来のフランス語で、意味は「salted」です。フランス料理はソースが命と言われるほど、ソース作りは、とても重要な要素です。また、ソースは、それだけで食されることはなく、他の食べ物に味を加えたり、水分を加えたり、見た目を引きつけたり、料理やデザートにとって、不可欠な要素です。

ソースにもいろいろあり、サラダ用はドレッシング、肉などを焼いたオーブン皿に残った肉汁を使ったものはパンソースと呼ばれます。一方、しょう油やウスターソースなどの市販ソースもありますね。

また、以下のサイトでご紹介したように「Crème anglaise (クレーム アングレーズ)」と「Fruit Coulis (フルーツ クーリ)」などのデザートソースもあります。



基本スキルはレシピには記載されない

料理・製菓・製パンのレシピは、本来、料理・製菓・製パンを知っている方を対象として、使用食材及び分量、その手順が記載されたものです。そのため、通常、レシピには、基本スキルは記載されていません。

例えば、養成コースで使ったレシピの手順には、Sweat(スエット)・Deglaze(デグレーズ)・Simmer(シーマー)が頻繁に登場しています。これらの基本スキルを知らなければ、作ることは困難です。この3つは、スープストックやソース作りに必須な基本スキルです。

実は、オーストラリアで主夫時代、料理の基本を知らぬまま、レシピを探して、いろいろな料理に挑戦していました。ある時、家内から「塩気や辛みはあるけど、旨味がない」と言われました。そのレシピの材料に、粉末スープストックはありませんでした。プロ向けのコースで学んだ時、初めて、上記の3つのスキルを知らなかったので、野菜の旨味が出なかったと気づきました。


基本スキル:Sweat・Deglaze・Simmer

(※英語で習ったため、日本語でどのように表現するのかは知らないのであしからず)

以下の手順を行う際、使う鍋は、ステンレス製などの方が適しています。テフロン加工では、食材の旨味成分が鍋にこびりつかないためです。また、電気コンロよりも、ガスコンロの方が、火加減が調整し易く、美味しく仕上がります。

Sweat(スエット)

料理用語のSweat(スエット)は、「汗」という意味ではなく、鍋に少量の脂分を加え、ゆっくり加熱しながら、刻んだ野菜などに焦げ目が付かないようにしながら、その野菜の汁の中で調理することを意味します。

Deglaze(デグレーズ)

鍋などに付着した野菜などの旨味成分を、少量のストックやワインなどの液体を加え、掻き落とすことを意味します。オーブンで肉を焼いた際、オーブン皿に付着した肉の旨味成分を掻き落として、小麦粉でとろみをつけたソースが、Gravy(グレービー)です。

Simmer(シーマー)

液体を沸騰させた後、小さな泡が立つ程度に弱火にして加熱することを意味します。上記の手順の後、ストックを作る場合は水、ソースを作る場合はストックなどの液体を注ぎ、加熱します。ソース作りの時は、煮詰めながら、Coats the back of a spoon*1になるまで濃縮させます。

*1:Coats the back of a spoonとは、ソースの濃さを確認する際の目安を表現する言葉です。ソースにスプーンを入れて取り出した際、スプーンの裏側が、ソースで均等に薄く覆われ、たれ流れない状態を意味します。

このSweat・Deglaze・Simmerの手順を習得すれば、以下のブログ記事でご紹介したスパイスから作るシンプルなカレーも、本格料理にUpgrade(アップグレード)すること請け合いです。なお、折角のスパイスも、香りを引き出す手順を踏まなければ、ただ、スパイスを混ぜただけの味となり、美味しくありません。



スープストックの基本手順

以上の基本3スキル使って、まず、スープストックを作り、これをベースとして、スープや料理ソースが作られています。

具体的には、刻んだ野菜を少量の脂分でSweat(スエット)した後、Deglaze(デグレーズ)し、魚や肉の骨とBouquet garni*2(ブーケガルニ)を水と一緒に入れて、Simmer(シーマー)したものが、スープストックとなります。なお、ベジタブルストックの場合、魚や肉の骨を省きます。

※2:Bouquet garni(ブーケガルニ)とは、Thyme(タイム)やParsley(パセリ)の茎、Peppercorns(コショウ粒)などを布でくるみ、糸で縛ったもので、肉や魚の臭みを消しや料理の風味付けのために加えるものです。

仕上がったスープストックは、野菜や骨などを取り除き、漉した後、素早く冷やし、完全に冷めてから、冷蔵保存します。以下のブログでご紹介したように、食品衛生上、必ず、再沸騰させてから使います。

[参考ブログ]Info:Food Safety and Hygiene Fundamentals(食品安全衛生の基本)

ちなみに、「秘伝のたれ」は、毎日のように、たれを再沸騰させて、バクテリアを死滅させ、急速に冷やして、冷蔵保存しているため、何十年でも使えるのだそうです。

<スープストックの煮込み時間の目安>

  • ホワイトチキンストック:最小1時間半~最大8時間
  • ブラウンビーフストック:最小4時間~最大8時間
  • フィッシュストック:最大20分(これ以上加熱すると、ストックが濁り、味が悪くなります)
  • ベジタブルストック:最小1~最大4時間

Stock(ストック)とBroth(ブロス)の違い

ちなみに、日本語の「だし」は、英語では「Broth(ブロス)」と呼びます。こちらは、上記のSweat(スエット)とDeglaze(デグレーズ)の手順を経ず、肉や魚を野菜と一緒に茹でて作るスープのことです。

最近では、英語のレシピの中に「Kombu Dashi(昆布だし)」や「Umami(旨味)」などの記載があったり、有名シェフがテレビの料理番組の中でこの表現を使ったりするのを頻繁に見かけるようになりました。

海外で和風だしが入手困難な場合は、アジアン食材店で乾燥椎茸や乾燥昆布を使うと便利です。乾燥昆布は、細かく切ったり、粉末にしたりすれば、味噌汁などにそのまま使えます。

また、魚や鶏の骨から作ったスープストックを味噌汁に使う手もあります。その場合、Bouquet garni(ブーケガルニ)を使ったスープストックは洋風な味噌汁に仕上がります。ショウガでBouquet garni(ブーケガルニ)を代用したスープストックは、麺類の汁にお勧めです。


フランス料理とイタリア料理の違い

フランス料理には手間を掛けたソースが不可欠です。様々な技を駆使してソースを作ります。一方、イタリア料理は、オリーブ油やバルサミコ酢などだけで新鮮な素材を生かした料理が多くなっています。

この両者の違いは、立地条件と確立された時代の運搬技術が大きな要因です。三方を海に囲まれたイタリアでは、新鮮な素材が手に入り易く、わざわざソースを開発する必要がなかったと言えます。

一方、フランス料理は、イタリア料理を元に、パリで料理法が確立されました。当時、新鮮な素材が手に入り難く、素材の味を補うため、それぞれの素材に合ったソースを開発する必要があったわけです。よく料理の実習では、パターは「隠し味」として登場していました。


まとめ

プロのヒーラーシェフ兼シェフが、ソースが命と言われるフランス料理の基本3スキル「Sweat(スエット)・Deglaze(デグレーズ)・Simmer(シーマー)」をご紹介しました。これらの手順を踏み、身土不二(しんどふに)及び一物全体(いちぶつぜんたい)の食材を使えば、いつも料理が、身体に優しい本格料理にUpgrade(アップグレード)すること請け合いです。

今回も最後までご覧いただきありがとうございます。

Tadashi


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