プールでダイビング

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スクーバダイビングと聞くと、多くの方はトロピカルな青い海でのダイビングを想像される方が多いでしょうね。しかし、プールダイビングでも、十分に水中浮遊を楽しむことができます。水中でという非日常空間で、浮遊するだけでも、宇宙遊泳のようにフワフワと重力から開放され、また、母胎の中に浮いていた頃の心地よい記憶さえ蘇ります。プールダイビングと聞くと、スクーバダイビングの講習を連想される方も多いかと思います。

しかし、初めての方にとっては、海でなくプールでも、水中で圧縮空気を吸って、水中を上下左右と自由に移動するだけで、非日常空間を楽しめます。逆に言えば、海よりも、気候や天候に左右されないプールの方が、いつでも水中浮遊をを楽しめます。

かつて、オーストラリアで暮らしていた頃、Byron Bay(バイロンベイ)へ潜りに行った際で、オランダ人旅行者の方と一緒になる機会がありました。その時、彼女から、自国で、ボランティアとして、自閉症の子ども達と一緒にスクーバダイビングしていると聞きました。潜る場所は、海ではなくてプールなのだそうですが、みんな大喜びだそうです。

確かに、水中でユラユラと浮遊していると、そのまま眠ってしまいそうなくらいに心地よいものです。スクーバダイビングは、単に水中生物を観察したり、非日常空間を冒険したりするだけでなく、水中の浮遊感を楽しむ癒し効果もあります。

ただし、自分の経験から申し上げれば、この水中の浮遊感を楽しむためには、スクーバダイビングの基本である「浮力コントロール(上下方向の移動)」と「フィンキック(横方向の移動)」の習得は不可欠です。

スクーバダイビングでは、浮力を調整するため、「ウェイト(重り)」と「BCD(浮き具)」を使います。適正ウェイトをギリギリに減らせるようになると、肺の中の空気量の微調整だけで、水中での上下方向の移動が容易となり、更に水中での浮遊感を楽しめるようになります。

私は、オーストラリアでスクーバダイビングの講習を受けました。日本で初めて潜った時は、ウエットスーツの厚みや圧縮タンクの材質が、講習を受けた時と全くことなり、自分の適性ウェイトも分からず、自己流で誤魔化していました。しかし、プロダイバーの訓練を受ける課程過程で、浮力の調整を徹底的に練習しました。

その結果、ウエイトの量を減らし、「BCD(浮き具)」のあまり空気調整をせずに、吸い気味の呼吸をすればゆっくり上昇し、吐き気味の呼吸をすればゆっくり沈むことが自由自在にできるようになりました。

私が日本で活動していたプロショップでは、浮力の調整とフィンキックの習得に重点を置いた講習を行っていました。そのため、始めたばかりのお客さんが余裕で水中浮遊を楽しんでいる姿を見て、内心羨ましいと思ったものでした。