プロのヒーラーシェフ兼パティシエが、効率的なおひとりさま自炊に必須の料理用語「mis en place(ミザンプラス)」+「野菜利用術」をご紹介します。
外食時、店が空いていれば、通常、注文してから20分以内に料理が提供されると思います。一方、自炊の場合、よほど手際のいい人でもなければ、大した料理でなくても、20分以上は掛かるものですね。
その違いは、「mis en place(ミザンプラス)」です。シェフ・パティシエ養成コースは、フランス料理が基本の料理法でした。「mis en place(ミザンプラス)」はフランス語で、「事前に素材の下処理して、直ぐに作業にかかれるようにしておく」という意味です。
結構、料理だけでなく、製菓でもフランス語の用語が少なくありませんでした。当時、オーストラリアで暮らした経験はありましたが、英語でもやっとの中、更にフランス語の用語(発音や綴りが、英語とは違うので)は、難易度を高めました・・・。
タマネギを例にご説明します。業務用厨房では、事前に刻んで、密閉容器に入れて、冷蔵庫で保存し、料理の注文に応じて、取り出して使います。ご家庭では、使う用途に応じて、千切りやみじん切りにし、それぞれ、ファスナー付きビニール袋に密閉し、冷凍保存することをお勧めします。これなら、日持ちします。
特に、一人暮らしの場合、1人分のために、毎回刻むのでは、まな板や包丁を出して、洗って拭く時間が不効率です。このように1週間分をまとめて仕込んでおけば、平日は、まな板や包丁を使わずに済みます。なお、こちらでは、冷凍のみじん切りオニオンが販売されています。
根菜類、カボチャ、ホウレン草は、冷凍保存できます。大根などは、冷凍した方が、調理時間を短縮できます。大根の皮は、捨てずに、みじん切りにして、味噌汁などに入れて食べます。ホウレン草は、軽く湯がいて、切り分けた後、固く絞って、1回分を食用ラップで包んで冷凍しておくと、便利です。
バターカップスクワッシュ(Buttercup Squash)やクマラ(Kumara)などは、温野菜用に切り分けて、ファスナー付きビニール袋に密閉し、冷凍保存しておくと、便利です。どちらも、よく洗って、一物全体(いちぶつぜんたい)の観点から、皮付きのまま切り分けます。
一物全体(いちぶつぜんたい)については、以下のブログで詳しくご紹介していますので、ご参照ください。
同じカボチャでも、クラウン(Crown)は皮の部分は固くて食べられません。しかし、バターカップスクワッシュ(Buttercup Squash)は、日本のカボチャのように皮まで食べられるので、一物全体(いちぶつぜんたい)の観点からも、お勧めです。なおかつ、皮の部分を切り落とす手間も省けて、一石二鳥です。
ニンジンの冷凍品は、独特の臭みがあるので、自家製冷凍をお勧めします。大根と同様に、加熱時間を短縮できます。生食用は、1本ずつペーパータオルで包み、ビニール袋で密閉し、冷蔵庫の野菜室に立てて保存すると、数週間は新鮮さを保てます。
一人暮らしの場合、インゲン豆(Green Beans)やブロッコリー、カリフラワーなどは、市販冷凍品がお勧めです。家庭用冷凍庫では、急速冷凍できないので、自家製冷凍の場合、食感が悪くなります。一方、冷蔵保存では、数日で変色します。
ホウレン草やケールなどは、自家製冷凍の暇がない時、味噌汁やカレー用に市販冷凍品が便利です。他に、トウモロコシ(Sweetcorn)やピーマン(Capsicum)などの市販冷凍品は、炒め物用に、そのまま使えて便利です。なお、ピーマン(Capsicum)は、自家製冷凍でも食感が失われませんが、生食には不向きです。
以下のブログでご紹介したように、「身土不二(しんどふに)」の観点から、極力、自国産の製品を選ぶことをお勧めします。
とてもローカルな話題で恐縮ですが、最近、ニュージーランドの某スーパー自社ブランドのPamsのインゲン豆(Green Beans)は、ニュージーランド産だと知りました。実は、それまで、他社製品を買っていました。ニュージーランドの会社の製品でも、案外、原料は輸入品を使っている場合が多いですね。
おひとりさま自炊で「身土不二(しんどふに)」を実践する場合、なかなか容易ではないので、「置かれた状況で、最善を尽くせばよし」としたいと思います。
時間管理と聞くと、帰宅してからも仕事モードになって嫌な方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、毎日、疲れて帰宅した後、自炊することを持続させるためには、自炊でも時間管理の発想が不可欠です。
限られた時間だからこそ、自炊に掛かる時間を短縮できれば、その時間で余暇を楽しむことが可能になります。
実技の判定試験の時、毎回、「Work Plan(作業計画書)」を提出しなければ、試験を受けられませんでした。また、制限時間内に2~3品を仕上げなければ、失格となるので、毎回、表計算ソフトを使って、綿密に作業工程を計画していました(殆どの同級生は、バイトで忙しくて、そんな「暇」はなく、私が「異質」だったようです・・・)。
また、「Work Plan(作業計画書)」で、1コマの作業時間は10分以内でなければなりませんでした。なぜ10分なのか、現場で働くようになってから、その理由が分かりました。
例えば、朝食や昼食の時間帯を除けば、平日なら、10分程度、料理の注文が途切れることが多くあります。その10分間に、料理や製菓の下ごしらえを済ませることが出来ます。ただ何もしないで暇つぶしをしていたら、効率が悪く、利益が出ません。
シェフ・パティシエ養成コースでは、ただ単に作り方に関する知識と実技だけでなく、タイムマネージメントを学んでいたことに気づきました。まさしく「Time is money(時は金なり)」ですね。
プロのヒーラーシェフ兼パティシエが、効率的な一人暮らしの自炊に必須の料理用語「mis en place(ミザンプラス)」と「野菜利用術」をご紹介しました。キーポイントは、野菜類をまとめて切って冷凍保存し、また、市販の冷凍野菜も活用することでした。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。
Tadashi
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