今回は、ネットでフライトを予約した際の誤入力で巻き起こった一連の出来事のその3として、返金用の銀行小切手が届くまでの大変談をご紹介します。この時は、途中で短気を起こすこと(神聖な存在の守りから「外れる」)もなく、最後まで忍耐を貫き通せました。当時は、まだ、このような「発想」を持ち合わせていない頃でした。
航空会社のシステム上の問題で、出発間近の空港で、エアチケットを再購入しなければなりませんでした。その時、返金用の銀行小切手は、遅くても約4週間後には送られてくるはずでした。
それから約1ヶ月後、日本から戻っても、まだ、届きませんでしたが、気長に待つことにしました。更に1週間過ぎてもまだでした。念のため、確認するメールを送りましたが、その後、1週間が過ぎても、何の返答もありませんでした。
私から送ったメールが届かないことが頻繁にあるため、心配になり、別のメールアドレスから、2度、メールしました。最初にメールしてから2週間後、「返事が遅くなって申し訳ありません。その件については、予約センターへ直接電話して下さい。」という返答がありました。
実は、母国語ではない英語で電話するのは苦手だったため、願わくば、メールだけで用件を済ませたかったのです。しかし、英語圏で暮らすということは、英語で電話することは当たり前のことなのですよね。
日本で働き始めた頃、電話が苦手でした。日本語でも、いきなり仕事の話を聞いても、全く理解できませんでしたので・・・。しかし、長年勤めた末、電話恐怖症は改善されました。しかし、英語で電話する機会は皆無でしたから、英語の電話は苦手でした。
その後、頻繁に英語で通話する機会が訪れることになるので、そのための「準備」だったのかもしれません。最初は、留学する際の電話による口頭試験でした。そして、永住権が降りる直前、入国管理局から電話による口頭面接がありました。更に、ベーカリーでは、頻繁にお客さんからの電話にでる機会がありました。
今では、何ごとも慣れる経験が必要だと学習しています。それから、恐怖症があると、本来の能力・才能が発揮できなくなります。だから、電話に対する恐怖心があると、対面なら会話できるのに、電話だとできなるという状況になるのですね。
前置きが長くなりましたが、心臓をバクバクさせながら、電話を掛けました。何度も事情を説明しました。通常では、あり得ないことですから、電話の相手も要領が得ない感じでした。しかも、日本語訛りの辿々しい英語です。
1つのことを説明する度に、「上司に確認するから」と待たされ、やっと得た答えが、「予約番号とバンクステートメント(口座の入出金明細書)をメールで送って下さい」でした。
日本のような預金通帳はなく、口座の入出金明細が郵送されてきます。最近では、ネットバンキングが主流で、省資源化のため、郵送を止めて、電子ファイルを受け取れるように変わっています。
日本人の感覚では「それだったら、最初にメールした時、そう教えてくれれば良かったのに」と思いました。しかし、ここはオーストラリアですから、郷には入ったら郷に従うしかありませんでした。
送信先のメールアドレスを聞き違えては大変ですから、何回も、何度も復唱して書き取りました。なぜなら、聞き違えて、もう1回電話はしたくありませんでした。例えば、「AppleのA」のように、1文字、1文字確認しました。ここで、英語のスペルを知らないと完全にアウトです・・・。
実は、自動応答メッセージで、連絡先の電話番号を聞き取らなければならないこともありました。とても早口で、もう何度繰り返したか分かりません。まるで、英語のリスニングテストを受けているようでした。最後は、念のため、家内にも聞き取って貰いました。それから比べたら、自動音声よりも、相手が待ってくれる分、ありがたいですね。
教えられた通りのアドレスへメールを送ってから約1週間が経ちましたが、何の返答もありませんでした。また、嫌な予感がして、別のアドレスから送ると、なんとアドレス不明で直ぐに戻って来てしまいました。「あっちゃぁ~!」でした・・・。
やっと、ウェブサイト上の問い合わせフォームを発見し、メールアドレスを再確認するメールを送りました。なぜなら、また、電話して、同じことを繰り返したくなかったからです。
すると、直ぐに自動返信メールが届き、「場合によって処理に時間が掛かる場合があります。」と英文で記載されていました。「そうそう、これじゃなきゃ♪」・・・。
そして、その1週間後、正しいアドレスを知らせるメールが届きました。なんとスペルが1つだけ抜けていたのでした。あれだけ何度も確認したのに・・・。そんな事に拘っているよりも、早速、メールを送信することを最優先しました。
そして、ようやく、予約番号とバンクステートメントを、正しいアドレスに送信することができました。もし、空港でチケットを再購入した時、返金の受取手順を教えてくれれば、こんなに大変な思いはずです。たぶん、分業が徹底していて、担当外のことは知らないのでしょうね。
企業にとって効率は良いのかもしれませんが、顧客側にとっては不便極まりないと感じました。特に、英語を母国語としない人にとっては、自分が言語障害者になった感覚です。しかし、この体験は、言葉に障害を持つ方の気持を知る上で、とても貴重でした。
ようやく、謝罪メールが届き、通常、返金用の小切手を発行するのに4週間掛かる所(これも驚きですが)、事情を考慮して、早めに処理してくれるとありました。そして、万一の時に備え、この時も照会番号も発行してくれました。
もう、最後のメールの送り主が「神」のように感じたのは言うまでもありません。そのメールが届いてから約2週間後、無事に返金用の銀行小切手が届きました。銀行小切手の現金化は、これが2度目だったので「楽勝」でした。
今回、2人分のエアチケットで、一旦、4人分を支払うことになりましたが、時間は掛かってもちゃんと返金され、手数料もかからず、そして、結果的に予定通りの飛行機に搭乗できた事は、とてもありがたいことと感謝すべきだと思いました。
これに懲りて、もう2度とスペルミスはしないと思いますが、どんな事でも感謝する事が大事だと痛感させられました。それが出来ない限り、何度でも同じ経験をするのだと思います。同じような大変談は経験したくないので、何事にも感謝して、その経験から卒業したいと思いました。
ちなみに、この時は、航空会社が直営する予約サイトで、正規格安エコノミーの片道料金だったので、随分と割高でした。しかし、もし、格安航空券の予約サイトで購入したエアチケットが、名前のスペルミスだった場合、その当時、3万円程度の解約手数料を払い、新規に購入し直す必要があることを後から知りました。
万一の事を考えると、「ただ安ければ良い」という発想は、一考の余地があることを学びました。格安は、それに応じたリスクを承知の上で、上手く使い分ける賢さが必要ですね。この経験で、いろいろと勉強になりました。
数十ドルの手数料を支払ってでも、もし、クレジットカード決済だったら、返金はクレジットカード会社を通じて返金されたようです。その時は、節約のため、「BPAY(日本のネット銀行振込のようなもの)」で支払ったため、返金が銀行小切手になってしまったようです。
日本の感覚だと、そのまま、銀行口座へ振込でくれれば、これほど面倒なことにはならなかったと思いがちです。しかし、最近の新型コロナの影響で、フライトがキャンセルされて、返金ではなく、航空会社のクレジット(次に予約する際、その金額が使える)扱いが少なくないそうです。あの時、全額が払い戻しを受けられて、ラッキーでした。
今回は、ネットでフライトを予約した際の誤入力で巻き起こった一連の出来事のその3として、返金用の銀行小切手を受け取るまでの大変談をご紹介しました。
お客さんを待たせてしまった時、「Thank you for your patience.」という表現を使います。「patience」は「忍耐」という意味です。最近では、「忍耐」を学ぶために、海外で暮らしているのかと思うことが多です。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。
Tadashi
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