How-To:乳菜食キッシュのレシピ / 簡単にサクサク自家製タルト生地


プロのヒーラーシェフ兼パティシエが、簡単に自家製できるサクサク食感のパイ生地(Short Paste)使用のキッシュ(Quiche:フランスの卵料理)をヒヨコ豆粉で乳菜食(Lacto-vegetarian)にアレンジしたレシピ、パイ生地の種類やフリッタータ(Frittata)との違いなどをご紹介します。


キッシュ(Quiche)とは?

キッシュ(Quiche)は、フランスが発祥の卵料理です。甘くないタルトの型に溶き卵とチーズ、野菜・動物性たんぱく質などを流し入れ、オーブンで焼き上げた惣菜タルトです。海外のカフェやデリカテッセン(Delicatessen)では、通常、冷蔵ショーケースに並んでいます。

ちなみに、キッシュ(Quiche)に似たフリッタータ(Frittata)も一緒に並んでいる場合があります。こちらは、イタリア料理で、タルト型に入っていないキッシュ(Quiche)のような卵料理です。フリッタータ(Frittata)は、外側のパイ生地がない分、キッシュ(Quiche)と比べて、単調な食感になりがちです。


パイ生地の種類

シェフ・パティシエ養成コースでは、以下に示す4種類のパイ生地について、理論と実技を習得しました。通常、キッシュ(Quiche)は、ショートペースト(Short paste, Pâte à foncer)が使われます。とても簡単な手順なので、市販品を使うよりも、自作した方が、安価で美味しいキッシュ(Quiche)が食べられます。

  1. ショートペースト(Short paste, Pâte à foncer):小麦粉とバター、水が入っただけのシンプルなパイ生地で、主に惣菜パイに用いられます。とてもシンプルな手順です。
  2. シュガーペースト(Sugar paste, Pâte à sucre):小麦粉とバター、卵、砂糖が入った甘いパイ生地で、デザートのパイやタルトに用いられます。バターと砂糖を混ぜてクリーム状にするため、「1.」のパイ生地よりも手順が煩雑となります。
  3. パフペースト(Puff paste, Pâte feuilletée):「1.」のパイ生地と同様の材料ですが、パイ生地にバターを折り込む工程があり、「2.」のパイ生地よりも、更に煩雑な手順となります。層状のパイ生地です。
  4. ラフパフペースト(Rough puff paste, Pâte feuilletée rugueuse):「3.」のパイ生地と同様の材料ですが、最初にキューブ状のバターをパイ生地に混ぜ込んでから、折り込むため、「3.」よりは簡易な手順で、似たような層状のパイ生地となります。

[参考文献]Practical Cookery, 12th Edition: For NVQ and Apprenticeships
https://books.google.co.nz/books/about/Practical_Cookery_12th_Edition.html?id=HP2lp6h3TrkC&redir_esc=y

もし、市販品を使う場合は、極力、脂分が100%バターの製品をお勧めします。Low Fat(低脂肪)で「健康志向」を売りにした製品もありますが、脂肪を減らしても「パイ生地」らしい食感を保つため、何らかの成分が添加されている恐れがあるからです。

以下のブログ記事でご紹介していますが、極力、天然な状態に近い食品を摂取することを心がけることが、体心魂に優しいと言えます。

[参考ブログ]True Story:花粉症が再発し、薬なしで治った体験談

ニュージーランドやオーストラリアのスーパーでは、上記の「1.」~「3.」の冷凍パイ生地が買えます。一方、日本では、「3.」の冷凍パイ生地しか見つけられませんでした。その国によって、売れる種類が違うのですね。


パイ生地(ショートペースト)のレシピ

以下に、キッシュ(Quiche)で使うパイ生地(ショートペースト)の材料と手順をご紹介します。

[パイ生地(ショートペースト)の材料]

小麦粉の計量は、お米用カップ(180ml)を使うと重宝します。1杯が約100gです。

○薄力粉(Standard or Plain Flour):200g(お米用カップ,180ml×2杯)
○無塩バター:100g
○冷水:30g

[パイ生地(ショートペースト)の手順]

基本は、バターも小麦粉も冷たい状態で作業します。室温を下げるか、室温が低い時間帯に作業すると、簡単にサクサクなパイ生地が仕上がります。バターが溶けそうな場合は、慌てず、落ち着いて、冷蔵庫に入れて冷やしてから、作用を続けましょう。

  • ボウルに小麦粉を入れ、その上から、卸し金を使ってバターを加える。
  • 食事用のナイフで、切るように混ぜた後、よく洗った両手の指先を使って、パン粉状態にする。
  • バターが柔らかくなった時は、冷蔵庫で冷やしてから作業する。
  • 上記のボウルに冷水を加え、パイ生地を捏ねないように、手のひらで握って、均等に水分を行き渡らせて、ひとまとめにする。
  • 捏ねずに、パイ生地を押し固めるようにすると、サクサクした食感に仕上がる。
  • パイ生地をひとまとめにした状態。
  • 多少、ボロボロしていても、冷蔵庫で寝かしている間に、水分が均等に行き渡るので、捏ねないことが、サクサクに仕上げるポイント。
  • パイ生地を食用ラップで包み、冷蔵庫で約30分寝かす。
  • 食用ラップを敷いた上にパイ生地を乗せ、上から、もう1枚の食用ラップを乗せて、麺棒で厚さ2mm程度にのす。
  • 片方の食用ラップを剥がし、食用ラップが上面にくるようにタルト型へ入れ、パイ生地をタルト型(直径20cm)へ密着させる。
  • タルト型の縁を指先で押し切るようにしながら、余分なパイ生地を取り除く。
  • フォークなどを使って、タルト生地の底に空気穴をあける。
  • タルト生地の上にオーブンシートを敷き、上に重りを乗せる。
  • 重りは、生米でも代用可。
  • 200℃に熱したオーブンで約10分加熱する。
  • 重りを取り除いた後、更に、タルト生地の底に軽く焼き色が付くまで、オーブンで約数分加熱する。

キッシュ(Quiche)のレシピ

以下にキッシュ(Quiche)の材料と手順をご紹介します。

キッシュ(Quiche)の材料]

○パイ生地(ショートペースト):上記参照
※残ったパイ生地は捨てずに、ラップして冷蔵庫で保存すれば、数日は日持ちします。上記分量のパイ生地で、直径20cmのキッシュ(Quiche)を作った残りで、直径10cmのタルトが2個作れます。以下に乳菜食チョコレートタルトのレシピをご紹介しています。
[参考ブログ]How-To:乳菜食チョコレートタルトのレシピ / 簡単パイ生地

○旬の野菜:適量
※新型コロナの影響で、買物頻度を減らしているため、ここでは冷凍野菜を使用

○ヒヨコ豆粉(Chickpeas Flour):1カップ(250ml)
○ガーリックパウダー:小さじ1杯
○オニオンパウダー:小さじ1杯
○海塩:小さじ1/2杯
○米ぬか油:大さじ3杯(45ml)
○水:1カップ(250ml)
○卸しチーズ:適量


キッシュ(Quiche)の手順]

  • ボウルにドライ材料を入れ、均一に混ぜ合わせた後、油を加え、泡立て器を使って練り上げる。水を少しずつ加えながら、練り混ぜ合わせる。
  • 鍋に移し、中火で加熱しながら、ゴムベラなどで底と側面を頻繁にかき混ぜ、クリームソース状になるまで続ける。
  • 鍋に湯がいて水分を切った野菜を加え、均等に混ぜ合わせる。
  • 焼き上げたタルト型に、上記の具材を注ぎ、上に卸しチーズを乗せる。
  • 180℃に熱したオーブンで、約18~20分間、タルト生地の底が黄金色になるまで焼く。
  • 焼き上がったら、あら熱が取れてから、タルト型を外し、ワイヤーラックの上で冷ます。
  • オーブンから出した直後は、タルト生地が壊れやすいので、要注意。

まとめ

焼き上がったキッシュ(Quiche)は、冷めても食べられるので、ピクニックやホームパーティに最適です。温め直して食べる際は、180℃のオーブンで、約10分程度、温めると、タルト生地の底の部分のサクサク感が復活します。

ショートペースト(Short paste)は、手順がシンプルなので、コツさえ掴めば、誰でも簡単に作れるようになります。カフェでは、市販のパイ生地を使っていました。そのため、パイ生地作りは、シェフ・パティシエ養成コースで習った数回の他、たまに自宅で作る程度でした。

以前、テレビの料理番組で、イギリス人シェフのジェイミー・オリヴァー(Jamie Oliver)氏が、バターの代わりにアボカドを使って、ショートペースト(Short paste)を作り、グリーンのタルトを仕上げていました。乳製品を食べない方に最適だと思いました。

プロのヒーラーシェフ兼パティシエが、簡単に自家製できるサクサク食感のパイ生地(Short Paste)使用のキッシュ(Quiche:フランスの卵料理)をヒヨコ豆粉で乳菜食(Lacto-vegetarian)にアレンジしたレシピ、パイ生地の種類やフリッタータ(Frittata)との違いなどをご紹介しました。

今回も最後までご覧いただきありがとうございます。

Tadashi


Tadashi

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