How-To:乳菜食チョコレートタルトのレシピ / 簡単パイ生地


プロのヒーラーシェフ兼パティシエが、簡単に自家製できるサクサク食感のパイ生地(Short Paste)使用を使って、甘さ控えめのチョコレートタルト(tarte:フランス菓子)のレシピを卵不使用の乳菜食(Lacto-vegetarian)にアレンジしてご紹介します。バターの代わりにココナッツオイルでパイ生地を作れば、ヴィーガンにもなります。


タルト(Tarte)とは?

タルト(Tarte)はフランス語で、ラテン語の「tōrta」に由来しています。パイ生地で焼き上げたタルト(Tarte)型の中にクリームやフルーツなどを盛り付けた菓子です。

[参考]フルーツタルト(Fresh Fruit Flan)
空焼きしたタルト(Tarte)型の中にカスタードクリーム(pastry cream、crème pâtissière)を流し込み、その上にフルーツを飾り、シロップなどでつや出しします。

パイ生地には4種類(参照:次項)ありますが、通常、甘いタルト(Tarte)菓子には、シュガーペースト(Sugar paste, Pâte à sucre)を使います。しかし、日本人には甘過ぎるため、甘さ控えめで、ショートペースト(Short paste, Pâte à foncer)を使っています。この方が、パイ生地作りの手順も簡単で、一挙両得です。

[参考]チョコレートタルト(Chocolate Tarte) 
卵とチョコレートを使ったノーマル版です。タルト(Tarte)型は、小麦粉の1/4をココアパウダーに変えています。シュガーペースト(Sugar paste, Pâte à sucre)なので、甘党の私にも甘すぎます。


パイ生地の種類

シェフ・パティシエ養成コースでは、以下に示す4種類のパイ生地について、理論と実技を習得しました。通常、キッシュ(Quiche)は、ショートペースト(Short paste, Pâte à foncer)が使われます。とても簡単な手順なので、市販品を使うよりも、自作した方が、安価で美味しいタルト(Tarte)が食べられます。

  1. ショートペースト(Short paste, Pâte à foncer):小麦粉とバター、水が入っただけのシンプルなパイ生地で、主に惣菜パイに用いられます。とてもシンプルな手順です。
  2. シュガーペースト(Sugar paste, Pâte à sucre):小麦粉とバター、卵、砂糖が入った甘いパイ生地で、デザートのパイやタルトに用いられます。バターと砂糖を混ぜてクリーム状にするため、「1.」のパイ生地よりも手順が煩雑となります。
  3. パフペースト(Puff paste, Pâte feuilletée):「1.」のパイ生地と同様の材料ですが、パイ生地にバターを折り込む工程があり、「2.」のパイ生地よりも、更に煩雑な手順となります。層状のパイ生地です。
  4. ラフパフペースト(Rough puff paste, Pâte feuilletée rugueuse):「3.」のパイ生地と同様の材料ですが、最初にキューブ状のバターをパイ生地に混ぜ込んでから、折り込むため、「3.」よりは簡易な手順で、似たような層状のパイ生地となります。

[参考文献]Practical Cookery, 12th Edition: For NVQ and Apprenticeships
https://books.google.co.nz/books/about/Practical_Cookery_12th_Edition.html?id=HP2lp6h3TrkC&redir_esc=y

もし、市販品を使う場合は、極力、脂分が100%バターの製品をお勧めします。Low Fat(低脂肪)で「健康志向」を売りにした製品もありますが、脂肪を減らしても「パイ生地」らしい食感を保つため、何らかの成分が添加されている恐れがあるからです。

以下のブログ記事でご紹介していますが、極力、天然な状態に近い食品を摂取することを心がけることが、体心魂に優しいと言えます。

[参考ブログ]True Story:花粉症が再発し、薬なしで治った体験談

ニュージーランドやオーストラリアのスーパーでは、上記の「1.」~「3.」の冷凍パイ生地が買えます。一方、日本では、「3.」の冷凍パイ生地しか見つけられませんでした。その国によって、売れる種類が違うのですね。


パイ生地(ショートペースト)のレシピ

以下に、今回のタルト(Tarte)で使うパイ生地(ショートペースト)の材料と手順をご紹介します。

[パイ生地(ショートペースト)の材料]

小麦粉の計量は、お米用カップ(180ml)を使うと重宝します。1杯が約100gです。

○薄力粉(Standard or Plain Flour):100g(お米用カップ,180ml×1杯)
○無塩バター:50g
○冷水:15g

[パイ生地(ショートペースト)の手順]

基本は、バターも小麦粉も冷たい状態で作業します。室温を下げるか、室温が低い時間帯に作業すると、簡単にサクサクなパイ生地が仕上がります。バターが溶けそうな場合は、慌てず、落ち着いて、冷蔵庫に入れて冷やしてから、作用を続けましょう。

  • ボウルに小麦粉を入れ、その上から、卸し金を使ってバターを加える。
  • 食事用のナイフで、切るように混ぜた後、よく洗った両手の指先を使って、パン粉状態にする。
  • バターが柔らかくなった時は、冷蔵庫で冷やしてから作業する。
  • 上記のボウルに冷水を加え、パイ生地を捏ねないように、手のひらで握って、均等に水分を行き渡らせて、ひとまとめにする。
  • 捏ねずに、パイ生地を押し固めるようにすると、サクサクした食感に仕上がる。
  • パイ生地をひとまとめにした状態。
  • 多少、ボロボロしていても、冷蔵庫で寝かしている間に、水分が均等に行き渡るので、捏ねないことが、サクサクに仕上げるポイント。
  • パイ生地を食用ラップで包み、冷蔵庫で約30分寝かす。
  • 食用ラップを敷いた上にパイ生地を乗せ、上から、もう1枚の食用ラップを乗せて、麺棒で厚さ2mm程度にのす。
  • 片方の食用ラップを剥がし、食用ラップが上面にくるようにタルト型へ入れ、パイ生地をタルト型(直径10cm)へ密着させる。
  • タルト型の縁を指先で押し切るようにしながら、余分なパイ生地を取り除く。
  • フォークなどを使って、タルト生地の底に空気穴をあける。
  • タルト生地の上にオーブンシートを敷き、上に重りを乗せる。
  • 重りは、生米でも代用可。
  • 200℃に熱したオーブンで約10分加熱する。
  • 重りを取り除いた後、更に、タルト生地の底に軽く焼き色が付くまで、オーブンで約数分加熱する。
  • 完全に焼き色が付いたタルト型。

タルト(Tarte)のレシピ

以下にタルト(Tarte)の材料と手順をご紹介します。

タルト(Tarte)の材料]

○タルト型(ショートペースト):2個(直径10cm)
※以下のレシピで、直径20cmのキッシュ(Quiche)を作った残りパイ生地が、丁度、直径10cmタルト型2個分となりますので、無駄なく作れます。
[参考ブログ]How-To:乳菜食キッシュのレシピ / 簡単にサクサク自家製タルト生地
○ダッチココア(Dutch Cocoa):大さじ2杯(30ml)
 以下のブログ記事で、ダッチココア(Dutch Cocoa)についてご説明しています。
[参考ブログ]Info:熟練シェフ御用達の優れ食材を特別公開
○ヒヨコ豆粉(Chickpeas Flour):1/4カップ(62ml)
○ココナッツシュガー:大さじ2杯(30ml)
※甘めがお好みの場合は1/4カップ(62ml)
○海塩:1つまみ
ブルーソーラーウォーター:大さじ2杯(30ml)
[参考ブログ]How-To:ブルーソーラーウォーターの作り方
○ココナツオイル:大さじ2杯(30ml)


タルト(Tarte)の手順]

  • ドライ材料をふるいにかる。
  • ボウルに入れ、均一に混ぜ合わせた後、水を少しずつ加え、練り混ぜ合わせる。
  • 油を少しずつ加え、更に混ぜる。
  • 焼き上げたタルト型に、上記のチョコレートソースを注ぐ。
  • 180℃に熱したオーブンで、約10~15分間、タルト生地の底が黄金色になるまで焼く。
  • 焼き上がったら、あら熱が取れてから、タルト型を外し、ワイヤーラックの上で冷ます。
  • オーブンから出した直後は、タルト生地が壊れやすいので、要注意。

まとめ

焼き上がったタルト(Tarte)は、完全に冷めてから、冷蔵庫でよく冷やした方が美味しく食べられます。ショートペースト(Short paste)は、手順がシンプルなので、コツさえ掴めば、誰でも簡単に作れるようになります。

カフェでは、市販のパイ生地を使っていました。そのため、パイ生地作りは、シェフ・パティシエ養成コースで習った数回の他、たまに自宅で作る程度でした。

以前、テレビの料理番組で、イギリス人シェフのジェイミー・オリヴァー(Jamie Oliver)氏が、バターの代わりにアボカドを使って、ショートペースト(Short paste)を作り、グリーンのタルトを仕上げていました。乳製品を食べない方に最適だと思いました。

プロのヒーラーシェフ兼パティシエが、簡単に自家製できるサクサク食感のパイ生地(Short Paste)使用を使って、甘さ控えめのチョコレートタルト(tarte:フランス菓子)のレシピを卵不使用の乳菜食(Lacto-vegetarian)にアレンジしてご紹介します。

今回も最後までご覧いただきありがとうございます。

Tadashi


Tadashi

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